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温もりが欲しいとか言えない 15
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不毛なことくらい俺が一番痛いほどわかっている。
正直、見たくないものも、聞きたくないこともたくさんあって。
でも、すべて和臣のことだから知りたくて。
そんな渦巻く矛盾が自分の首を絞めるみたいで苦しくなる。
「陽斗、大丈夫?休んでいく?」
顔を覗き込まれて、その肩に寄りかかってしまおうかと思った。
賢と付き合えば、そんな気持ちから解放されるのか?
楽になれるのだろうか?
───…賢を好きになれたら。
そんな言葉が脳裏に浮かんだ瞬間、ハッとする。
そんなことをうっかり考えてしまった自分に、
少しばかり揺れてしまったことに、
自分自身が一番驚いていた。
「いい。……帰る」
すると賢は優しく微笑みながら俺のあとをついて駅まで歩く。
和臣に対する気持ちに迷いがあるのか……。
考えることが多すぎて、その日はあまり眠れなかった。
――――――
―――…
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