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残酷さえも手放せない 3
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部屋に着くと和臣は興味深そうに部屋を見回していた。
「陽斗らしい部屋だな。きっちり片付いてて」
再会して和臣が俺の部屋に来たのは今日がはじめてだった。
「キッチン広くないか?陽斗ってさ、料理とかすんの?」
「するけど。簡単なのは」
「へー、すげー。俺、できないからいつも学食か弁当だし。キッチンでは湯くらいしか沸かさないし」
そう笑いながらしきりにキョロキョロしている和臣にタオルを渡す。
「先に風呂入れよ。湯、ためるか?」
「いや、シャワーでいい。陽斗から入れよ」
「いいから先に入って早く寝ろよ」
そう言いながら背中を押すと、「なんか悪いなぁ」と、また申し訳なさそうに微笑みながら浴室に入っていった。
暫くすると。
「セパレートの風呂っていいよな。俺のアパートはユニットだから狭くてさ」
タオルでガシガシ髪を拭きながら出てきた和臣と交代して俺もシャワーを浴びる。
そして、俺が出てきたころには和臣はベッドにもたれかかりながらうとうとしていた。
「髪くらい乾かせよ。風邪ひくからそのまま寝るな」
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