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残酷さえも手放せない 7
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とうに諦めているじゃないか。
和臣には何を言っても本心が伝わることはない。わかっていたことじゃないか。
そう思うと、なんか色々と煩わしくなってしまった。
「名前は言わない。けど、ずっと好きだし忘れられない。きっと、これからもそうだ」
部屋が暗いのをいいことに胸のうちを打ち明けると、それは止めどなく流れてくる。
「本人には言ったのか?」
「言わないよ。その時は付き合っている人もいたし、今だって俺を好きになってくれるとは思えないから、これからも言わない」
心のなかでは苦しいくらい和臣のことなんだと叫んでいたが、表情にも声にもおくびにも出さないように心掛ける。
「でも言ったら変わるかもしんないじゃん」
「……変わらないよ」
変わるとすればこの友情関係が終わるだけだ。
「でも、どんな子だろうな~。陽斗にこんなに想われてる人はさ」
お前が言うなって気持ちが沸いてくる。
「お前はどうなんだよ。……最近は」
「え、いないよ。そう言っただろ?」
「いや、いい感じの人とか……付き合いそうな人とか……いないのか?」
思い浮かべている人は、あの夜の人だった。
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