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残酷さえも手放せない 10
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「ま、考えてみたら、そりゃそうだよな。全部なんて知ってるわけない」
そう和臣はボソッと呟くと、そのまま続けた。
「けど、なんでだろうな……。陽斗に関しては全部知ってるつもりでいたんだ。だから河北さんみたいな友達がいて驚いた」
何の話をしているのか、一瞬わからなくなった。
どうして和臣が賢の話をするのか。
思いもよらぬ賢の話題に戸惑いが隠せず、どうして和臣がそんなことを気にするのかも疑問に思うし、複雑な気持ちしかない。
「賢は、友達とかじゃない」
俺がそう言うと和臣は何故か「それもだ」と言う。
「それもってなんだよ」
「下の名前で呼んでた。高校のときにも俺以外にも仲いいやついたけど、下の名前で呼んでたの俺だけだったじゃん。だから意外だった」
「……つか、和臣どうしたんだよ?今日、なんか変だぞ?」
意外なのはこんな話をしている和臣の方だと思い声をかけると、和臣は相変わらず眠そうな声のまま力なく笑った。
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