アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
搜索 Ⅳ
-
身体が震えるという経験を この時俺は初めてしていた
「…何故ですか⁇」
「ですから Ωの人が数時間居なくなった程度では
捜索願いは 受け付けられないんです」
こんな理不尽な事があって良いのか
創の居なくなった状況は普通ではないと
こんなに説明しているのに警察の対応は冷たいものだった
「その方は 家族でも 番相手でも ないんですよね⁇
居なくなったのが貴方の方でしたら また少し違うんですが…」
「な⁉︎」
Ωだと分かると 絶望して死を選ぶ人もいると聞くが
この現実を突きつけられると
その気持ちも 分からなくないと思ってしまう
「一週間経っても戻られない様でしたら
改めて受付ますので」
門前払いにされ 爪が食い込む程強く拳を握り締めた
油断すると 目の前の男の人に掴みかかってしまいそうだ
「桃…
戻って何か見てる人いないか 聞いてみよう⁇」
「…ああ」
物井の後に着いて 警察を出ようとした時
ぐらりと目の前が揺れた
地に足が着いていない感覚は
より一層 俺を不安にさせていく
その時 スーツの中の携帯が震えた
佐倉からだった
ここ最近迷惑をかけてばかりで 申し訳ない気持ちになり
また気持ちが沈んでいくのが 自分でも分かった
「…はい」
『佑吾様 創様は いらっしゃいましたか⁇』
「…いや」
今の状況を話すと 佐倉も物井と同様俺を励ましてくれた
コッチは何とかする
車を出せずに申し訳ないとまで言われ
俺は 首を横に振った
「ありがとう 佐倉 いつも本当に助かってる」
『…いえ 当然の事をしているだけですので』
佐倉との通話を終了した後
自分の顔を 両手で思いっきり叩いた
隣にいた物井が 目を丸くして驚いている
「絶対 捜し出す」
そう自分にも強く言い聞かせて俯いていた顔を前に向けた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
101 / 365