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面影 Ⅳ
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ピアノを習っていた時
コンクールに向けて練習をしていたら
先生がこの曲に 歌詞がある事を教えてくれた
正直その時は 綺麗な歌詞だな位にしか思ってなくて
理解なんて全くしていなかったけど
今なら 分かるよ
♫♪♩♫♪
弾き終わり顔を上げると 皆目を丸くして僕を見ていて
やっぱりこんな大切なピアノに
僕なんかが触っちゃいけなかったんじゃないかとか
下手くそだったのかとか 選曲がまずかったのかとか
色々な思いに駆られて すごく不安になった
「…あ…あの」
僕の一言でハッとなった様子の佑吾と佑吾のお父さんは
直ぐに にこやかな顔になると 大きな拍手をしてくれた
「凄いな 創」
褒めてもらえた事に
ホッと胸を撫で下ろしたその直ぐ後だった
一番奥に座っていた蓮さんの右目から
涙が 一筋零れ落ちるのが見えた
不謹慎かもしれないけど その泣き顔はとても綺麗で
腕でゴシゴシと擦るその瞬間まで
僕はその表情に 魅入ってしまっていた
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