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来訪 Ⅱ
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「蓮 何か飲む⁇
コーヒー ココア お茶 オレンジジュース」
「…ココア」
蓮さんの返答に 意外だなと思ってしまった
何となく佑吾と同じ様に
コーヒーをブラックで飲むのかと思っていた
今日のお洋服も
シンプルな黒のVネックのセーターに細身のジーパンと
佑吾の好みと似ている様に感じていたから 尚更だった
「それ貸して⁇」
「あ はい‼︎」
僕は手に持っていた タブレットを蓮さんに渡した
操作していく様子を 横からジッと眺めるも
その手早い動きに 全くついていけない
「一年生の教科書 全部入れておいた
操作自体は そんなに難しくないから」
「は はい…」
蓮さんは丁寧にメモの付け方や
しおりのはさみ方など 色々教えてくれて
その度に 佑吾と一緒に驚嘆の声を上げた
「最近の高校生って進んでるんだな〜」
「ていうか うちの学校がって感じじゃない⁇
最先端の物は 大抵何でも取り入れるからね
まぁ 実際すごい楽だけど…
取り敢えず こんなもんかな⁇
あと解らない事あったら いつでも連絡して⁇
携帯持ってる⁇」
「あ はい…あの ありがとうございます」
「ん」
僕がお礼を言うと 蓮さんはポンポンと頭を撫でてくれた
こういう所が 何だか佑吾に似ている
僕の携帯に蓮さんの名前が表示されたのと同時位に
インターホンが鳴った
佑吾が 足早にモニターの前に歩いていく
「あ 佐倉」
佐倉さんの名前に蓮さんがピクッと反応したのが分かった
手に持ったマグカップを 口も付けずにテーブルに置くと
髪を触ったり 足を少し動したりしている
その顔を盗み見ると少しだけ赤くなっている様な気がして
もしかして…という考えが 僕の脳裏をよぎっていく
「お休みの日に申し訳ございません
明日の朝までに
どうしても目を通して頂きたい書類がございまして」
「いや むしろ悪い ありがとう」
「とんでもございません では私はこれで」
佑吾がドアを開けっ放しで行ったおかげで
二人の会話は リビングにもバッチリ聞こえていた
佐倉さん 帰っちゃうんだと思った瞬間
蓮さんは スクッと立ち上がると
上着と鞄を持って 足早に玄関へと向かって行った
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