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片影 Ⅳ
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ご自宅に到着し 門の前で車を停車させると
蓮様は くるりとこちらを振り返った
ジッと見つめられて 反応に困る
「…あの⁇」
「佐倉ってさ」
丁度言葉が被ってしまい
自分の口を噤んで 蓮様の話に耳を傾けた
「初めて会った時は 眼鏡かけてなかったよね⁇
今そんなに悪いの⁇」
「…え」
「俺は…かけてない方が好き…」
眼鏡の事を指摘さた上にそんな事を言われて つい焦ってしまい
上手く言葉が出てこない
「…あ…あの…」
「……じゃあ…送ってくれてありがとう」
「いえ…とんでもございません」
蓮様がご自宅の門をくぐったのを確認した後眼鏡を外した
視界は変わる事なく 遠くまで見渡せる
ハンドルに体を預けると
深い溜息が自分の口から漏れ出ていった
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