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後輩
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「あのね 僕 友達が出来たよ」
夕飯を食べながら ニコニコしている創に
心の底からホッとした
昼間送ったメールの感じでも 大丈夫そうだなとは思っていたが
実際にこの笑顔を見ると コッチまで思わず笑ってしまう
しかし
「あのね それで その健っていう子がね」
さっきから同じ人物の話ばかりで
若干口角が引き攣りそうだ
その健という人物は αなのかβなのかΩなのか
その辺りを ものすごく問い質したい
が 先日創を泣かしてしまった事を思い出すと
笑顔で耐えるしか無かった
「佑吾と…その…つ……番になるんだって話したら
βの自分には よく分からないけど
ロマンチックで良いねって」
創がちゃんと俺の話をしてくれていたのと
不意に聞こえたβという単語に 俺の心にゆとりが出来た
お陰で やっと素直に言う事が出来る
「良かったな 良い友達が出来て」
「うん それにね
蓮さんのお友達の理央さんって言う人も
すごく親切にしてくれたよ
同じΩだから 何かあったら言ってねって」
「ああ 理央君 元気だった⁇」
まだ実家に住んでいた頃
一度だけ家に来た彼の事は よく覚えていた
「あの子 お兄さんが二人いて 俺の後輩なんだけどさ…
二人ともα至上主義で 俺にはすごく懐いてくれてたけど
理央君は 大変だったんじゃないかな…」
「…そうなんだ
佑吾は どっちのお兄さんも知ってるの⁇」
「うん 双子なんだよ
俺の 一個下で 二卵性だから似てはないんだよな…」
そうぼやきながら 頭の中の記憶を辿った
倉橋 親良(くらはし ちから)
不動産関係の会社の長男という事もあってなのか
黒髪 黒い瞳に眼鏡をかけていて
ザ 優等生な見た目をしていた
完璧な敬語で 俺とは話してくれていたが
αが絶対という考えを持っている様で
βやΩの者に対しては
例え先輩でも 明らかに見下した態度を取っていた
倉橋 考良(くらはし たから)
理央君と同じ髪色髪質に黒い瞳で
親良よりは くだけた印象だった
男も女も綺麗な人が好きと公言していて
来る者拒まず 去る者追わずで
浮ついた噂が絶えない子だったが
俺にはいつも笑顔を振りまいてくれて 可愛がっていた
理央君が初めてうちに来た次の日
生徒会室で何気無くその事を口にした時の二人の反応が
今でも忘れられない
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