アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
牽制 Ⅲ〜side理央〜
-
「さっきのは 何だ」
「何って…見たまんまですけど⁇」
悪びれた様子のない稜に
レンレンは組んだ先の指をトントンと動かしている
稜は悪い子じゃないんだけど
こういう態度がレンレンをイライラさせちゃうんだよね…
二人の会話を ヒヤヒヤした気持ちで見つめていると
稜の方が また口を開いた
「あんな可愛い子 桃坂先輩の名前だけじゃ駄目ですよ
意味 分かりますよね⁇」
稜の言ってる事は ごもっとも
僕もそこは すごく心配だった
「倉橋先輩だって 最初は大変だったでしょ⁇」
「え…⁇」
僕の場合
仲良くなったβの子と 一緒に居るのを 兄様達に見られて
三日後 その子は入院してしまった
その事に尾ひれが付いて噂になり
僕にちょっかいを出す人は居なかったけど
レンレンと知り合うまで ずっと一人で
それはそれで すごく辛かった
「兎に角 創には手を出すな 分かったか⁇」
「………」
「返事‼︎」
「約束は出来ません
桃坂先輩には 好きな人いないんですか⁇
そんな事言われて はい分かりましたって言います⁇」
稜の言葉が胸に刺さったのか レンレンは黙ってしまった
「じゃ また仕事ある時にまた来ます」
そう言って生徒会室を出て行く稜を見送った後
レンレンのブレザーの裾を 少し引っ張った
「…レンレン⁇」
「…最低だな
俺は…兄さんや創の為だとか
もっともらしい事ばかり言って
結局は 自分の事しか考えてない…」
「そんな事ないよ」
項垂れているレンレンの手を取ると 僕は笑顔を作った
「大丈夫 万が一 佑吾さんと創が上手くいかなくても
佐倉さんは レンレンの事選んでくれるよ」
「…倉橋」
そう 大丈夫だよ レンレンだけじゃない
僕だって 今言った事と本心は 全く違うんだから
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
196 / 365