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率爾 Ⅳ
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家に着くと ジャケットも脱がずにベッドになだれ込んだ
未だに混乱していて 記憶も朧げだ
でも…
そっと自分の唇に触れ 思い起こされた感触に
顔から火が出る思いだった
初めての口付けが まさか高校生の子とになるなんて
想像もしていなかった
寧ろこういう事は 一生縁が無いとすら思っていたのに…
『俺と…番になって欲しい…』
この台詞を誰かに言ってもらえるなんて
そんな事は絶対に起こらないと思っていた
しかし 一回り近く年下の蓮様と自分では
軽く犯罪臭すらする気がしてならない
断った方が 彼の為なのでは…
そう思うのに どうしてもあの顔を拒否出来なかった
というより したくなかった
これだけ建前を並べていても やはり嬉しかったのだ
蓮様は 本当に佑吾様の様で…
むくりと体を起こし 携帯を開くと
メールBOXに蓮様の名前が入っていて
思わず携帯を床に落としてしまった
そういえば 以前訊かれて 何かあったらと教えた気がする
特にそれから何があるという事は無かった為
すっかり忘れていた
恐る恐るそのメールを開くと
今度は別の意味で 体中の体温が上昇していくのを感じた
“さっきはいきなり 本当にゴメン ちゃんと帰れた⁇”
上手く言えないけど 何だか恥ずかしい…
取り敢えず家には着いた旨を返すと
また直ぐに携帯が震えた
“良かった また連絡する おやすみ”
その内容を見て 大きく息を吐き出した
何だか胸の真ん中が そわそわして落ち着かない
この気持ちは 一体何ていう名前なのか
それを誰かに問い掛ける事も出来ず
ただただジッと 携帯を見つめていた
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