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警醒
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「わーー‼︎」
ゲーセンってガチャガチャしてて明るいけど
今の創の目の方が ずっとキラキラと輝いている
行った事無いと言われた時は かなり驚いたけど
こんな素直な反応をされたら
連れてきたかいがあるというものだ
「創‼︎ コレ取れたからやるよ」
「あ 俺も‼︎ ほら‼︎」
「え⁇ 良いの⁇ ありがとう」
創の満面の笑みに 皆固まっている
確かに黄色の熊のぬいぐるみを抱く創は
その辺で キャッキャッしている女子よりずっと可愛い
「健 見て」
「おお 良かったじゃん 創もやってみろよ」
「出来るかな…」
「大丈夫だって 教えてやるからさ」
「うん…」
拙い動作は 見ていて微笑ましい
男ばかり五人兄弟の次男の俺からすると
創は完璧うちの弟達と被る
入学式の日 教室の隅で縮こまっているのを見て
何となく放っておけなかったのも 多分そのせいだと思う
「取れた‼︎ スゴイ‼︎ 健 ありがとう‼︎」
「おお‼︎ 上手いじゃん‼︎
コレ安全ピン付いてるし 鞄に付けとけば⁇」
創がこくこくと頷くので肩に掛けていた鞄に付けてやると
それは嬉しそうに笑っていて
こっちまで思わず笑顔になってしまう
クラスの奴らも 創と仲良くなりたいって
いつも煩い位騒いでたから
佑吾さんの許可も出て 本当に良かったなと思った
でも 明らかに創の事を見ているガラの悪い奴らが居て
佑吾さんが渋る理由も納得が出来た
取り敢えず目を離さない様に気をつけようと思う
「腹減らない⁇ 何か食いに行こうぜ⁇」
一通り遊んだ後 誰かのその台詞を皮切りに外に出れば
ずっと後ろを着いて来てた奴らから離れられてホッとした
創は気付いてなさそうだし 本当に良かった
しかしこの時の俺は派手な連中ばかりに目を奪われていて
もう一人の不穏な影に気付いてやる事が出来なかった
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