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精選 Ⅱ
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「先輩 本当にありがとうございました‼︎
でも 創には手出さないで下さいね‼︎」
「はいはい お前本当元気だな 早く行ってやれよ」
「創 何かあったら直ぐ連絡しろよ⁇」
「うん ありがとう お大事に」
そう言って手を振った直後に車が走り出して
直ぐに健の姿は 見えなくなってしまった
健が居た時は 座席の真ん中に座っていた僕は
何となくさっきまで健の座っていた方に移動した
「な〜んで そんな離れんの⁇ 寂しいじゃん」
そう言って榎戸先輩は 僕の真隣に来ると
グイッと肩を掴まれた
「せ 先輩‼︎」
頭と腰に手を回されてしまい 全力で抵抗しても
やっぱり先輩の力には敵わなくて
結局前と同じ状態になってしまった
「家着いたらちゃんと離すから…ちょっとだけ…」
先輩の少し切なそうな声色に 腕の力を抜いた
どうせ力では敵いっこないし
さっき先輩は ちゃんとうちの住所を
運転手さんに伝えてくれていたから その間だけならと
そんな油断が この時の僕には あったんだと思う
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