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精選 Ⅲ〜side榎戸〜
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華奢な身体は 力を込めたら折れてしまいそうだ
息を吸い込めば 甘美な香りを漂わせていて
細い腰の更に下に 手を伸ばしたくなる
このまま 創を家に監禁する事は 簡単に出来ると思う
でも先ず 日向に疑われるだろうし
そこから桃坂先輩達が乗り込んで来るのも
容易く想像出来る
そして何より 創は笑わなくなってしまうかもしれない
それを考えると 流石にそんな事は出来なかった
でも ある可能性を考えた時に
どうしても思ってしまう事がある
「稜様 到着致しました」
運転手の声に 創がピクリと反応したのを見て
ゆっくりと身体を離した
「着いたって また明日ね」
「はい ありがとうございました…」
ああ 愛しいな…
こんな純粋な気持ちを人に抱いたのは 初めてだと思う
ドアが開き 創が外に出た時
名残惜しくなってしまい細い腕を引いた
バランスを崩した創が倒れ込んで来たのを良い事に
勝手に白い頬に口を寄せると
外からやたらと低い怒声が響いた
「創‼︎ 何してるんだ⁉︎」
その声に 創が青い顔で振り返っていて
その雰囲気で 全ての察しがつき 俺も外に出た
話した事はなくても 顔だけは知っている
そこに立っていたのは 桃坂 佑吾 その人で
俺がヘラッと笑うと スゴイ勢いで睨みつけられた
「初めまして 榎戸 稜です」
もしかして俺 殴られたりするのかな…⁇
そう思わせるくらいのオーラを 佑吾さんは纏っていた
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