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阿鼻叫喚 Ⅳ〜side蓮〜
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「倉橋 俺 創を保健室に運んでから行く
先生にそう伝えてくれないか」
「うん 分かった」
「あと 創の…友達の…」
「あ 日向 健です」
「日向
創は体調悪くて保健室だって 先生に言っておいてくれ」
「はい」
よしと思い 保健室へと創を抱いて歩き始めた
創はボーッとしていて 未だに涙が頬を伝っている
何があったのかを聞くのは 俺の役目では無い
直ぐにでも 兄さんに連絡をしなくてはと思った
保健室の前に着き 足でドアを開けると
中に居た人物に 眉間に皺が寄るのが自分でも分かった
「授業はどうした 榎戸」
「先輩こそどうしたんですか⁇
先生なら留守みたいですよ」
榎戸はそんな質問をしておいて
俺が創を抱えている事に 直ぐ気付いたのか
ソファから立ち上がると 側に歩み寄って来た
「創⁉︎ どうかしたんですか⁇」
榎戸が創に触れようと手を伸ばした瞬間
創はビクッと大きく震え また俺にしがみついてきた
「や‼︎ やだ‼︎ やだ‼︎」
「触るな やっと少し落ち着いたのに…
手が空いてるなら そこのカーテン開けろ」
珍しく凹んでいる様子の榎戸は 素直に俺の言う事に従い
窓から 一番離れたベッドのカーテンを開けた
「…創…そんなに俺の事 嫌なんだ…」
「…別に お前がという訳じゃないだろうし
俺が良い訳でもない」
「…え⁇」
榎戸の疑問には答えず 創をベッドに横たえると
大きな青い瞳から流れる涙を そっと拭ってやった
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