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心憂 Ⅱ〜side健〜
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「お疲れ様でしたー」
部活後 片付けなどを終わらせ 部室に戻ると
鞄を開けて「あ‼︎」と声を上げってしまった
周りにいた奴らは何事かと
俺の事をギョッとした顔つきで見ている
「明日提出の課題 教室に忘れて来た…」
深く息を吐くと 皆に先に帰っててくれと告げ
一人校舎へと向かった
中庭に差し掛かった時
校舎への窓ガラスが開いてるのが見えて
近道が出来ると思った俺は迷わずその中へ足を踏み入れた
「…ふ……うぅ…」
誰かの啜り泣く様な声に 思わず辺りを見渡した
声のする方を探りながら 誘われる様に足が動く
少し奥まったベンチの脇に 埋まっている人影が居た
ピンク系の茶髪が色とりどりの花の中でとても映えている
「…倉橋先輩⁇」
俺がそう声を掛けると ビクッと肩を震わせながら
先輩は ゆっくりと此方に振り返った
その時 少し強めに風が吹いて 周りの花びらが舞った
そんな中に佇む姿は正に花の妖精という言葉がピッタリで
少しの間 その姿に見惚れてしまっていた
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