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心憂 Ⅴ 〜side健〜
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無事 課題を鞄に納め
理央先輩と昇降口を出て 並んで歩いていると
隣で先輩が「…え⁇」と呟いた
視線の先を辿ると 校門の所に生徒会長が立っていて
俺は二人を 交互に見つめた
「…レンレン⁇」
先輩の呼び掛けに気付いた会長は 顔を上げると
先ず隣にいた俺を 一瞬ジッと見つめ
直ぐに先輩に視線を移した
「遅かったな 日向と一緒だったのか」
「うん…あの…
…もしかして…僕の事 待っててくれたの⁇」
さっきとは違う瞳の潤み方に
すごく悔しい気持ちが込み上げてきて
無意識に鞄を持つ手に 力が入った
「ああ メール送ったんだけど」
「え⁉︎ ご ごめんね‼︎ 携帯 全然見てなくて…」
先輩はあたふたしながら 鞄から携帯を取り出している
その姿はすごく可愛いのに
胸の辺りが もやもやして落ち着かない
「榎戸が 学校の周りに不審者が居たって言ってたからな
お前を 一人で帰すの 心配だったから…
教室行こうかとも思ったんだけど
すれ違ったら元も子もないからな」
「あ…ありがとう…でも…良かったのに…僕の事なんて」
先輩が携帯を口元で握り締めながらそう言うと
会長は先輩の頭に ポンと手を置いた
「そんな言い方するな お前に何かあったら俺は嫌だ」
「……ありがと」
ああ…そっか…
先輩 会長の事 好きなんだ…
「もう遅いし 行くか
日向は家 どの辺りなんだ⁇」
「…あ…割と近いです」
理央先輩を真ん中に三人で歩き出した
たわいも無い会話が続く中 理央先輩は俯きがちで
でもその様子を
会長は 特に気に留めている感じがしなかった
ねぇ 会長 理央先輩の顔見て…⁇
嬉しいのと切ないのが入り混じって
めちゃくちゃ唆る顔してるから
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