アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
紛糾
-
「うわああああん‼︎」
やっと仕事もひと段落つき
もう一度シャワーでも浴びようかと思った時だった
創の泣き声が俺の部屋まで響いて来て
慌てて創の元へと急いだ
「創⁉︎ どうした⁉︎」
創はベッドに寝たまま
手足をバタつかせながら泣き叫んでいて
その様子は 痛々しい以外の何物でも無かった
「嫌だーーー‼︎ やめてーーーー‼︎」
「創‼︎ 落ち着いて‼︎ 大丈夫だから‼︎」
瞳の焦点が定まっていない
手を取ろうとすると 叩かれてしまったが
何とかその身体を抱き締め
落ち着く様に 背中をポンポンと何度も叩いた
「創 大丈夫 ココには創に嫌な事をする人は居ないから」
「…う…っ…ふ…うぅぅ…」
少し落ち着いたのか
創からは 啜り泣く様な声だけが聞こえてきた
その間 ずっと背中をすり続けていたが
少し経った頃 創の頭が 俺の胸にガクンと倒れ込んできて
ウッと詰まった声が出てしまった
「…創⁇」
そろりと顔を覗き込むと 大きな瞳は瞼に覆われていて
ホッと胸を撫で下ろした
まるで赤ちゃんの夜泣きの様だなと思っていた矢先
創が また泣きながら魘されだして
少し悩んだが 細い身体を小さく揺すった
「創 起きて」
「…ん……う…⁇」
寝起きの瞳は俺を捉えると 震えながら手を伸ばして来て
その小さな手を取ると 自分の頬に寄せた
「創…俺の事 分かる⁇」
「…ゆ…ご…」
「ん…そうだよ」
先程と違い 自我を保っている事に胸を撫で下ろした瞬間
創の目からまた涙が溢れ出して
空いている方の手で ポロポロと落ちていくソレを拭った
「…僕…きた」
「汚くない」
予想のついた言葉を遮ると
創は驚いたのか 目を見開いている
そんな創の目元や頬に吸い付くと
笑顔で柔らかい髪を撫でた
「汗かいてる
さっき身体は拭いたんだけど 一緒に風呂入るか⁇」
「…うん」
頷いてくれた創を抱き抱え 風呂場へと向かった
その間 創はずっと俺に抱きついていて
その華奢な身体は 震えていた
創の胸の中には 俺には想像出来ない様なモノがあって
それは忘れる事が出来ない創にとって
どんなに辛い事なのか 考えるだけで心が痛む
それを少しでも早く解消しなければと
腕の中の創を見つめながら そう強く心に誓った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
239 / 365