アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
母親Ⅴ
-
「…う……ひっく…」
創は 泣いた時独特の息の上がり方をしていて
少しでも楽になれる様に願いを込めながら
その小さな背中を 摩り続けた
「…ご…ごめんね…」
「ん⁇ 何が⁇」
創は真っ赤に腫らした目を俺に向けると
また青い瞳に 涙を溜めている
「…僕…泣いてばっかりで…
いつも佑吾に迷惑掛けてるから…」
なんて健気な事を言うのだろうと思った
創を形作っている全てが 愛しくて堪らない
この気持ちを 直接創に見せられたら良いのに
「迷惑なんて思った事 一回もないよ⁇
俺 創とこうしてるの 好きだから…」
「…佑吾」
涙が溢れる前に 白い肌に手を伸ばし
身を屈めて唇を寄せると少し擽ったそうに身を捩っている
その姿は 一言では表現し難い愛らしさがあって
意識しなくても 笑顔になってしまう
今の創は 実年齢より 全体的に幼く見える
それはきっと あんな環境にいた事によるものだと思うが
元々は とても頭の良い子だ
時間が経つにつれて 当然の様に大人びていくだろう
それは喜ばしい事でもあるが
同時に 何処か寂しいとも思ってしまう
「この前の夜泣きの時とか 可愛かったな〜♡」
「よ 夜泣き⁉︎ そんなのしてないもん‼︎」
創が真っ赤な顔で頬に空気を入れているのが可愛くて
思わず クスッと笑ってしまった
「やっぱり覚えてなかった⁇
泣き止んだと思ったら コテッと寝ちゃったもんね」
「…そ…そんな事…」
恥ずかしいのか ぷるぷると震えてる様は
まるでチワワの様だ
頬に手を添えると 形の良い唇に自分のを重ねた
「俺には もっといくらでも甘えて⁇ その方が 嬉しい」
「……うん…ありがと…」
創がふわりと笑うと 周りがパッと明るくなって
その一瞬を見ると 幸せな気持ちが生まれてくる
「創…コレ」
創の肩を自分の方に寄せると
渡したかった物を創の前に差し出した
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
249 / 365