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映画 Ⅱ〜side蓮〜
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私服の佐倉って めちゃくちゃ新鮮
シンプルな白いシャツの上に薄手のニットと
もう脱いで置いてあるがネイビーのテーラードジャケット
デニムとかも履いたりするんだな…
なんて そんな当たり前の事に 一々感動する
ダメ元だったけど 今日誘って 本当に良かった
映画が始まっても 隣の佐倉が気になり過ぎて
話が全く頭に入って来ない
チラッと横目で佐倉を盗み見ると
真剣にスクリーンを見る横顔に 見惚れてしまった
「…ちょっと ダメだよ」
「良いじゃん…どうせ見えないって」
隣からそんな声が聞こえてきて 益々意識してしまう
俺もせめて手くらい握りたい
そう思って少しだけ距離を縮めると
佐倉も耳まで真っ赤にして 俺を見ていた
隣の声が聞こえたのか
佐倉側もそんな会話をしていたのか定かでは無いが
どちらにせよ チャンスと思った俺は
佐倉の手を ギュッと握った
「…あ」
「…佐倉」
なんか良い雰囲気
もっと密着しても大丈夫かも
そう思った矢先 佐倉の携帯が震えたのが俺にも分かった
条件反射なんだろうけど 佐倉は直ぐに携帯を開くと
申し訳無さそうな顔で俺を見た
「…あの」
「良いよ 電話してきなよ」
「…すみません」
ちらりと見えてしまったディスプレイには 兄さんの名前
仕事なんだから 佐倉がそっちを優先するのは当然なのに
さっきまであった温もりを失った手を
キツく握り締めていた
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