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一途 Ⅱ
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中学生で発情期が来てから
僕の生活は かなり変わってしまったが
時間の経過と共に 僕の感覚も麻痺してきていた
嫌々言って泣いても何も変わらない
言う事に従ってその通りにしていれば
酷い事はされないし 早く終わる
だったらその方が マシだと思ってしまっていた
2回目の発情期は 学校だった
抑制剤を飲んでトイレに篭ろうと駆け出したが
途中で力が抜けて 廊下に座り込んでしまった
放課後な事が幸いして 人気は少なかったが
正直 気が気じゃない
「おい」
肩を掴まれたかと思ったら 身体がいきなり宙に浮いて
何が起こったのか 訳が分からなかった
「な 何⁉︎」
僕の問い掛けに答えは返って来ず
代わりにあっという間にトイレの個室に入れられていて
便座の蓋の上に下ろしてもらってから
初めて目の前の人の顔を見た
「勝手に悪かったな
発情期だろ⁇ フェロモンが出てる
抑制剤は飲んでるのか⁇」
この時のクラスは離れていたし
接点は無かったけど それでも知っていた
レンレンは 一年生の時から生徒会の役員で
成績も常にトップだったし完璧なαと常に話題の人だった
でもこの時の僕は αの人が 恐くて恐くて
学校でもあんな事をされてしまうのかと
必死で体を縮こまらせていた
「…あ」
手が伸びて来て ギュッと目を強く瞑ったが
頭をぽんぽんと撫でられて そっと目を開けた
「大丈夫か⁇ 薬飲んでないなら 持って来てやる
鍵かけられそうか⁇」
予想外の行動と言葉に 思考回路が追いつかなかったが
数秒後にハッとなり 慌てて首を縦に動かした
「の 飲みました…閉めれます…大丈夫です」
「そうか」
レンレンは そのまま僕から離れると ドアを閉めてくれて
僕は言われた通り しっかり鍵をかけると
体が落ち着くのを その場でジッと待った
自分で自分のフェロモンは分からない為
かなり時間が経ってから そっとドアを開けた
ずっと誰も来なくて 運が良かったと思っていたが
それは間違った認識だったという事を
この直ぐ後に知る事になるのだった
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