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哀愁 Ⅴ
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「あ‼︎ 二人ともどこ行ってたんだ⁉︎」
エレベーターから降りると
直ぐに佑吾様がいらっしゃって かなり焦ってしまった
「も 申し訳ございません…あの…」
何て言おうか 言葉に詰まってしまった時
蓮様が自分の前に スッと腕を出されて
無意識に見上げていた
「俺 なんか人に酔っちゃったみたいでさ
佐倉が気付いて 今まで看病してくれてた
迷惑かけてゴメン もう大丈夫だから戻る」
「そうだったのか 無理はするなよ⁇」
「ん ありがと」
そのまま佑吾様の横を通り抜けると
何事も無かったかの様に 挨拶周りに戻られている
その佇まいに何とも表現し難い感情が込み上げてきていた
「佐倉 蓮が世話になったみたいで 悪かったな ありがと」
「いえ そんな…」
世話になったのは寧ろ自分の方なのに
佑吾様には それ以上何も言えなかった
「あれ⁇ 佐倉 眼鏡は⁇」
「え⁇」
目元に手をやると スカッと空を切った
そういえば蓮様に外されてそのままになってしまっていた
「あ…先程 落としてしまいまして」
「無くても平気なのか⁇」
そう問われて 目の前にいる佑吾様を見た
ずっと恋い焦がれていた方
気休めとはいえ蓋として扱っていた物が無くなったのに
思いが溢れ出す事は無く 寧ろ穏やかな気持ちだった
「はい 大丈夫です」
そう答えると 自分も中へと 入って行った
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