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喋喋喃喃
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パーティー当日は あの後お互い忙しくなってしまい
結局会話らしい会話は出来ないまま終わってしまった
その夜蓮様から
来週末に少しでも良いから話したいとメールが来て
お礼と一緒に了承の返信をした
そして今 指定されたカフェに来たが
約束の1時間前に到着してしまい 緊張から来る乾きで
注文したアイスコーヒーは 殆ど飲み干してしまっていた
「佐倉⁉︎ ゴメン‼︎ 待たせた⁉︎」
「いえ‼︎ 前の予定が早く終わってしまいまして…」
蓮様は謝ってくれたが まだ約束の30分前である
蓮様は自分の前に座ると 烏龍茶を注文し
いつもの真面目な顔で ジッと見つめられた
「…身体 大丈夫⁇」
「あ はい‼︎ やはりイレギュラーだったようでして…
次の日には治りました
念の為に 今日も薬は飲んでいるのですが…」
「イレギュラーって⁇」
蓮様の前に飲み物が置かれて 店員の方が去った後
質問に答える為に もう一度口を開いた
「実は 定期的に来ている方は 先月終わってたんです
だから 普段は持ち歩いてる抑制剤が手元に無くて…
ご迷惑をお掛けしてしまい 本当に申し訳ございません」
「いや 迷惑とは全然思って無いけどさ…
それ 大丈夫なの⁇
またこういう事起こったりするかもしれないって事⁇
心配過ぎるんだけど」
蓮様の表情から
本当に心配してくれているのが伝わって来て
不謹慎かもしれないが 嬉しかった
「…あの…今朝…念の為 病院に行って来たんですか…」
「そうなんだ お医者さん何だって⁇」
「…その
恐らくαのフェロモンに反応したんじゃないかって…」
「…うん⁇」
理解が追いつかないと言った感じで蓮様は首を傾げている
自分で言っておいてなんだが 恥ずかしくて死にそうだ
「…蓮様と…目が合った瞬間に…そうなったので…
その…」
心臓の音ばかり煩くて 上手く説明出来ない
自分で自分がまどろっこしくて
無意識に手を擦り合わせていた
「…佐倉」
呼ばれて目線を少し上に上げると
蓮様は それは嬉しそうな顔をされていて
先程までとは違うドキドキに支配されていく
「俺の事 意識してくれてるって事⁇」
「…っ…あ…は……は…い…」
もう氷が溶けただけのグラスのストローを咥えた
薄いコーヒーの味が 口の中に広がる
蓮様が何も言ってくれない事に不安になって顔を上げると
佑吾様が創様を見る時と同じ表情で 自分を見ていた
あんな風に見つめられたら
どんな気分なんだろうと思っていたが
想像以上に そわそわして落ち着かない
でもそれは嫌な感じではなく どこかこそばゆい感じで
何より居心地が良かった
「じゃあ 俺と番になってくれるんだよね⁇」
「あ…その…社長と佑吾様に 許可を頂いてから…」
「佐倉の事駄目って言う訳ないじゃん
今から話しても良い⁇」
「い 今からですか⁉︎」
携帯を取り出した蓮様の手を思わずテーブル越しに掴むと
懇願の思いで見つめた
「あの…心の準備をする時間を頂けませんか…⁇」
すると蓮様は ちょっと不服そうに口を引き結んでいるが
頬を赤らめながら 短く息を吐いた
「分かった…けど…佐倉 その顔ズルイ…」
「え⁇」
「…何でもない」
蓮様は目の前のグラスを手に取ると
一気に飲み干してしまった
「俺もう一杯頼むけど 佐倉は⁇」
「あ では 同じ物を」
「ん」
その後は 運ばれてきたグラスに沢山の水滴が付着する程
ずっと話し込んでしまった
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