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密偵Ⅱ〜side健〜
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珍しく部活も休みの土曜日
友達数人と遊びに行こうと出て来たが
その途中で 見慣れた髪色の後ろ姿に足が止まった
「…あれって」
帽子被ってるし 建物の陰に こそこそと身を隠しててかなり怪しいが
あの身長 あの色 あの髪質に
自信を持って 華奢な肩を叩いた
「理央先輩 こんな所で何してるんですか⁇」
飛び上がって驚くっていうのを
こんなに体現してもらったのは初めてだった
振り返った先輩は眼鏡をかけていて
普段とのギャップに ドキッとしてしまった
「た…健…その…ちょっと…」
口籠る先輩を見て
何となくさっきまで先輩が見ていた方に視線を向けると
会長が誰かと向かい合って座っているのが見えて
何となく状況を把握した
「会長の前に居るのは誰ですか⁇」
「え⁉︎ レンレン来た⁉︎」
先輩は直様元の方に向き直るともう会長に夢中な様だった
「…二人を見張ってるんですか⁇」
「見張ってるっていうか…
この前レンレンすごく傷付いてたから…
もしまたそうなったら
直ぐ慰めてあげたいなって思っただけ…」
「…ふ〜ん」
俺は理央先輩の後ろに立ちながら
友達に ごめん 行けなくなったとメールを打った
まだ5月だというのに 今日はものすごく暑い
先輩は汗を流しながら 遠くにいる二人を見つめている
「ねぇ 理央先輩
せめてどっか入りながら見張りません⁇
暑いし 喉乾かない⁇」
「ダメ お会計とかしてる間に見失ったら嫌だもん」
その返答に短く息を吐き出すと
背中を向けている先輩を残して その場を離れた
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