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メルヘン組
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月曜日のお昼休み
健は部活のミーティングがあるとかで
早々に教室から居なくなってしまい
何となく窓の外を見ると
中庭のベンチに理央さんが座っているのが見えた
珍しく一人の様だ
何処と無く元気が無い様に見えて心配になり
余計なお世話かもとも思ったが
教室を出て 理央さんの元へと駆けて行った
「理央さん」
「…創」
「隣座っても良いですか⁇」
そう尋ねると にこりと笑って頷いてくれた
お言葉に甘えて 隣に座ったまでは良いけど
何て切り出して良いのか分からなかった
元気無いですね とか 何かあったんですか⁇ とか
そんな事を不躾に訊いて良いのか悩んでいると
逆に理央さんの方から 質問された
「ねぇ もしもなんだけど…」
「え⁇ はい‼︎」
油断していて 咄嗟に出た声が大きくなってしまった
慌てて口を抑えると 理央さんは クスッと笑ってくれて
その場が和むのを感じた
「もしも 佑吾さんが居なかったら
βの人の事好きになったりもしたと思う⁇」
「…βの人ですか⁇」
正直 考えた事が無かった
βの人は βの男女で一緒になるのが一般的だし
自分を選んでもらえるとも 思った事が無かった
「うーん…どう…ですかね…」
考えながらも理央さんにそう訊かれて
パッと顔が浮かんだのは健だった
今までで 一番仲良くなったβの人
いつも明るくて 優しくて
嬉しい事を普通だと思ってしてくれる 皆から好かれる健
「もし…今と状況が違ってて 健みたいな人に出会ったら
一緒にいれるかどうかは別にして
そういう意味でも 好きになったかもしれないです」
そう言った後に理央さんの方を見ると
顔を真っ赤にしていて 僕は首を傾げた
「…理央さん⁇」
「あ‼︎ ご ゴメン‼︎ ちょっと…ボーッとしちゃった…」
どうしたんだろう…⁇
僕の答え 何か変だったかな⁇
何て声をかけようか迷っていると
理央さんは バッと顔を上げ 僕の手をギュッと握った
「創‼︎ 今から話す事 絶対誰にも言わないでくれる⁉︎」
「は はい‼︎」
勢いに押され そう返事をすると
理央さんは視線を斜め下のほうに投げながら小さく呟いた
「…この前 健に告白されたの」
「…え⁇ えええ⁉︎」
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