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出逢い Ⅲ
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「「………」」
車内は無言で 空気が重い
チラリと横に座る少年を見ると
その容姿を 改めてマジマジと観察した
男にしては長めの髪は あと少しで肩につきそうだ
でも細くて 綺麗なストレートの髪は 清潔で触れたくなる
全体的に 15才にしては 平均より小さめに見えた
180の俺と並んだ感じ 160あるかないかといった所か
付けられたままの首輪には GPSが搭載されているらしく
逃走予防の為だから決して外したりしない様にと言われた
恐らく 勝手に番になられない為の対策でもあるのだろう
どちらにしても 彼には ヒドく不釣り合いだ
「…‼︎」
俺の視線に気付いたのか 一瞬コッチを見たかと思うと
背中を向けて また小刻みに震え始めた
「…寒いのか⁇」
残暑も去り すっかり秋深まる今日この頃
夜になると 身震いする日も増えてきた
こんな薄っぺらい服では なんの防寒にもならないだろう
「…だ…大丈夫です」
声変わりをしていないのか澄んだその声はか細くて儚げだ
引き寄せられる様に細い髪にそっと手を伸ばし
小さな後頭部を撫でた
すると彼は 不思議そうな顔で 此方を振り返り
上目遣いで 俺の様子を伺っている
やっと見れた瞳は 暗がりの所為で よくは見えないが
やはり色素は薄めで 綺麗なブルーアイだった
「…あ…あの」
「うん⁇」
「…あ」
何かを言いかけたかと思うと
口の前で両手をもじもじと動かすばかりで
その先の言葉は聞けなかった
「着きましたよ」
そうこうしているうちに マンションの前に到着していて
俺は自分のジャケットを脱ぐと 彼の肩に掛けた
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