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秘密
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風呂から上がるのと同時に机に置いてあった携帯が震えた
ディスプレイに 桃坂 佑吾の名前が表示されているのを確認すると
直ぐ手に取り そのまま耳に当てた
「はい」
『あ…佐倉⁇ こんな時間に ゴメン…』
「とんでもございません いかがされましたか⁇」
『…実は』
事のあらましを聞くと
同じく机に置いてあった度の入っていない眼鏡をかけた
「そういう事でしたら 私 少しアテが御座いますので
直ぐにお持ち出来ると思います」
『本当に⁉︎ 助かる‼︎』
電話の向こうでどんな表情をしているのか想像がついてしまい
思わず フッと笑ってしまった
「では後ほど」
『佐倉 本当にありがとう‼︎』
「いえ…」
通話を終了させると そのまま目の前の椅子に座り
床に置いてあった鞄からキーケースを取り出した
よくあるタイプのこの机は 右側に引き出しが付いていて
一番上だけ鍵が かかるようになっている
そのロックを解除すると
中から 佐倉 真也様 と書かれた薬袋を数枚取り出した
そこから 幾つか薬を選ぶと
キッチンに行き ジップロックに入れ
着ていた部屋着を脱いで スーツに袖を通すと
いつもと同じ様に家を出た
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