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秘密 Ⅲ
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家に着くと 直ぐに目の上に 冷却ジェルを乗せた
明日 晴れた目で迎えに行くわけにはいかない
『実は…番になろうと思っている子がいるんだ』
昨日 帰りの車で そう切り出されて
直ぐにミラーで 自分の顔を確認した
平静を装えている事にホッとして 少し間を置いてから
佑吾様に問いかけていく
『どんな方なんですか⁇』
『…実は』
話を聞いて かなり驚いた
売春場の話は 自分の耳にも入っていて
何て恐ろしい場所があるんだと思っていた
自分の今の環境に 感謝しかない
でも そこに居たからこそ この方に見初められたのなら…
『…佑吾様が お決めになった方なら
きっと素敵な方なんでしょうね』
『ああ…すごく…可愛いくて 良い子だよ』
そう言って 目を細める表情から 愛しさが伝わって来た
きっとその子は この先 幸せになれると思う
『そうですか…私にも いつか会わせて下さい』
そのいつかは 次の日になった
色素の薄い少年は
可憐で儚げで 守ってあげたくなる様な子だった
きっと今まで
自分の想像が つかない様な経験をしてきている
同じΩとして 優しくしてあげたいと思ったし
佑吾様が幸せなら それを祝福したいのに…
「……ふ…っ…う…」
どうしても涙が止まらなくて
人の幸せを喜んであげられない そんな自分に嫌気が差す
ぬるくなってしまった冷却剤を取ると
新しいものを取りに 冷凍庫に向かった
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