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蜜月 Ⅱ
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「…はぁ」
横から大きな溜息が聞こえて ゆっくり目を開けた
ゆうごは腕を目の上に置いていて その表情が見えない
でも すごく疲れている事は伝わってきて
申し訳無さが込み上げてきた
「…ゆ…ご…」
「あ ごめん 起こしたか⁇」
優しいゆうごの言葉に 首をゆっくり左右に動かした
「…ごめんね……僕…迷惑かけたよね…」
「え⁇」
「…あ…あんなの……おかしい…よね…」
あまり覚えていない部分もあるが
情けない姿を見せてしまった事が恥ずかしくて
ギュッと枕を握った
しかも 寝ている僕を お風呂にまで入れてくれて
ベッドも朝と同じ様に綺麗になっている事を考えると
相当な迷惑をかけてしまっている
嫌われちゃってたらどうしようと思うと
じわりと涙が浮かんだ
そんな僕をゆうごは抱き寄せてくれて
おでこにキスをしてくれた
思わずそこを押さえながら 下げていた顔を上げた
「全然 俺なんて エレベーターからずっと
創とエッチする事ばっかり考えてたし」
「…え⁇」
「引いた⁇」
僕は 先程よりも早く 首を横に振った
ゆうごも 僕と同じ事を考えてくれてたんだ…
どうしよう… 嬉しい…
「創のあんな姿が見れて 嬉しかった…」
「…ゆうご」
数秒間見つめ合うと 吸い込まれる様に唇を重ねた
そして 今日ずっと気になっていた事を
勇気を出して訊いてみた
「…あの」
「ん⁇」
「ぼ…僕を買うのに…お家買えるお金…払ったって…」
「…ああ」
ゆうごは斜め上の方を見ると 困った様に笑った
「創は 何も気にしなくて良いんだよ⁇」
「で でも…僕が ワガママ言ったから…」
そんな大金払って貰う価値が 僕にはあるとは思えなくて
視線を下に向けた
そんな僕を見て ゆうごは フッと笑うと
僕の髪を 梳く様に撫でてくれた
「創が言ったからじゃないよ
俺も ずっと一緒にいたいって思ってた
明日 ちょっと話そうって言っただろ⁇
その時にね 俺と 一週間いてどうだったか
訊こうと思ってたんだ」
「…え⁇」
「もし 俺の事 ちょっとでも良いなって思ってくれてたら
もう 一週間居てもらうか 創さえ良ければ
ずっとココにいて欲しいって言うつもりだった」
「…ほ…本当…⁇」
「本当だよ 俺 創に一目惚れしちゃったから…」
照れ臭そうに笑うゆうごに 嬉しくて涙が溢れた
それを親指で優しく拭ってくれたけど 全然止まらない
どうやってこの気持ちを表現したら良いのか分からなくて
ゆうごの背中に腕を回して ギューッと抱きついた
「…好き‼︎…ゆうご…好き‼︎…」
「俺も…大好きだよ…」
ゆうごが僕の頭を撫でていた手を下にズラして項に触れた
その動作に 期待が膨らんでいく
心臓が ドキドキとスゴイ速さで動いて
ゆうごに聞こえないか心配だった
「…創」
「…ん」
ゆうごの服を強く握ると ギュッと目を瞑った
でもゆうごは 項にあった手を
僕の頬に移動させて そこをまた撫でている
拍子抜けしてしまった僕は そろっとゆうごを見上げると
いつもの様に 優しく微笑んでくれた
「近いうちにさ 俺の父さんに会って欲しいんだ」
「え⁇」
ゆうごの…お父さん…⁇
「…あ」
僕なんかを受け入れてもらえるのか不安になってしまい
つい 目を逸らしてしまった
「大丈夫だよ
番相手は 俺に任せるって言ってくれてるから
ただ 事後報告は良くないからさ」
僕を宥める様に また頭を撫でてくれた
本当に大丈夫なのか その不安は拭えなかったけど
ゆうごを困らせたくなくて 首を縦に動かした
「大丈夫 厳しいけど 優しい人だから」
「…うん」
ゆうごのお父さん
どんな人なんだろう
ゆうごと同じ 完璧なαなんだろうな…
悶々と考えていると
ゆうごの手が ズシッと頭に乗っかって
規則正しい寝息が 頭の上から聞こえてきた
僕も眠い気持ちはあるのに 全然寝付けなくて
ゆうごの服を また強く握った
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