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悪巧
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「ああ‼︎ ほんっと腹立つ‼︎ あの野郎‼︎」
プリン頭の男は 部屋のゴミ箱を蹴り飛ばすと
父親に押し付けられたビジネス雑誌の山を
両手で床にぶちまけた
「…はぁはぁ」
無駄に息切れして 苛立ちが募っている様だ
自業自得以外の何物でもないが
全ては 今日の出来事の所為だと 決めつけている
「…にしても あの面どっかで…」
記憶を辿るが 自分の知人では無い様で
ガリガリと親指の爪を齧っている
ふと 散らばっていたビジネス雑誌に目をやると
その中の 一冊を 勢いよく拾い上げた
「…桃坂……佑吾…」
髪型も服装も違う為 分かりにくくはあるが
そこに掲載されているのは間違いなく昼間会った男だった
「…父親の会社の副社長」
男は フンッと鼻で笑っている
偉そうな事を言って 結局コネかと馬鹿にしている様だ
自分だって やる気を出せば 親の会社で働く事なんて
いつでも出来ると考えているこの男
甘やかされて育てられ
与えられたマンションと振り込まれる金で生活している
働きたくない理由は 面倒だから この一択の様だ
「…ふ〜ん」
楽しそうにパソコンの電源を入れると
インターネットで とある会社を検索し
画面を食い入る様に見ながら にやにやと笑っている
そして足下にある 通販で購入したモノに視線を落とした
「無駄にならずに すみそうだ♡」
楽しそうな口ぶりからは
ろくな事を考えていないという事が伺える
男はまたパソコンに向かい
傍に置いてあったガムを噛みながら
悪巧みを 企て始めたいた
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