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憐憫
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目を覚ますと 創は俺の服を握り締めて眠っていた
起こさない様に そっと手を離すと ベッドから抜け出し
テーブルに置いていた封筒に手を伸ばした
創に関する事だという書類を中から取り出すと
それらに 目を走らせていく
鞍月 創 生年月日 9月10日 年齢 15
最初の 一行を読んだだけで 声が出そうになった
勝手にではあるが何となく冬生まれっぽいと思っていた為
1月に誕生日を迎える自分と 8つも離れている事になり
新たな事実に 口を掌で覆った
…まぁ 1つも2つも変わらないよな
それよりも 名字似合うな 月っていう感じする
更に下に目を通すと 母親欄に女性の名前が書いてあった
電話番号も記載されている
父親欄は空欄で 何だか切なくなった
創は…会いたいかな…
家族の話は 今まで 一度も聞いた事は無い
創から言ってくれるまで
特に触れないでいようと思っていた
もしかしたら 俺の家族に会ったら
タイミング的にも話やすいかもしれないし…
書類を封筒に戻すと クローゼットの奥にしまい
朝食の準備を始めた
仕事の前に 病院に行かなくては
出来上がったら 創を起こそう
昨日のプリンも 結局食べてないから 一緒に出そう
早く 創を甘やかしてやりたい
そう思いながら フライパンを握った
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