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会食
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「創 今日夜 外に食べ行こ⁇」
そう言って連れ出されたのはまだ夕方とも言えない時間で
大きな建物の中で 僕は何着も洋服を着させられていた
「うん それも似合うな」
ゆうごがそう言う度に 紙袋が増えていく
本当に申し訳なくて
僕が こんなに買ってくれなくていいと伝えると
逆にゆうごは すごく悲しそうな顔をしていて
その顔を見たら どうしたら良いのか分からなかった
そんな僕の頭を ゆうごは ぽんぽんと撫でると
喜んでくれたら 嬉しいと言ってくれたので
僕は今までの全部を込めて ありがとうと言った
僕がそう言うと ゆうごも笑ってくれた
ニットやコート その他様々な物を着たが
今着ているコレは 今までのとは種類が違っていた
どちらかと言ったら
いつもゆうごが着ているスーツに近い物で
僕の髪色と全く合っていない
「…うーん」
ゆうごも顎に手を当てて 何かを考えている
似合ってないもんね…
どうして こんな普段着ないような服も
今 僕に着せているんだろう…⁇
「すみません グレーとか持って来てもらえませんか⁇」
「かしこまりました」
言われるがままに また違うのを着てカーテンを開けると
ゆうごと店員さんが 沢山褒めてくれて
恥ずかしくてしょうがなかった
「ストライプの物もご試着されますか⁇」
「いえ 今日は大丈夫です
コレ 着て帰るので タグ切ってもらえますか⁇」
「かしこまりました」
手慣れた感じで進めていく二人と
話が全く見えずに あわあわしている僕との差がスゴイ
靴も 履いて来たスニーカーではなく
ピカピカの革靴が用意されていて 戸惑いしかなかった
「あと この荷物も送って欲しいんですけど」
先程までゆうごが持っていた大量の紙袋は
僕がさっきまで着ていた服と一緒に
お店の中に消えて行った
「じゃ 行こっか」
そう言って 店を出ると また違う建物の中に入って行く
入口がキラキラしていて 凄く綺麗で
僕は ぽかんと口を開けてしまった
「実は今日 父さんと夕飯食べる約束してるんだ」
「え⁉︎」
案内された個室には 確かに三人分のお皿が置いてあって
突然の事にビックリしたのと 今の服装に納得したのとで
言いたい事が色々あるのに 上手く言葉にならない
「ごめん 先に言ったら 創 緊張しちゃうと思って…」
「…うん」
僕の事を考えてくれての事だと思うとそれ以上何も言えず
ゆうごの服の裾をギュッと掴んだ
その時 扉が開いて ビクつきながら 入口を見つめた
「お連れ様が お見えになりました」
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