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もっともっと甘えて。
そう言った、その言葉通り。
ヒロはいつも以上に甘い態度で、優しくて。
ミッキーに会うためにやって来たトゥーンタウンでも、キャラクターに会ってはしゃぐ俺のこと、ずっと見つめてくれて一緒に楽しんでくれて。
ヒロが俺のことを見てるのって普段もだし、俺の楽しいことを一緒にしてくれるのもいつも通りなんだけど。
なんだかいつもより、なんていうか……。
「ゆう、考えごと?」
「え、ううん!」
甘い雰囲気に引きずられて、頭の中がいろんな妄想でいっぱいになりそうだったところへそんな風に尋ねてくるヒロ。
「か、考えごとなんかしてないよ!」
甘い妄想から我に返って慌ててると、にやにやした顔をされたから大袈裟に否定の言葉を重ねて。
「あ、ここ!!ご飯食べようって言ってた所だよ……っ!」
そんな会話をしてると、目的の場所に到着したから話題をわざとらしく逸らして。
早く行こうってヒロを促すと可笑しそうに笑われる。
時刻はもう、夕暮れまえ。
少し早い夕食を摂るためにやって来たのは、ウッドチャック・キッチン。
11月にオープンしたばかりのこのレストランは、出来たばっかりっていう事もあってランチタイムは混んでるってネットで調べてたから時間を外して来てみたけど。
そうしたのは正解だったみたいで、スムーズに料理を選んで会計を済ませる事ができて席に着く。
「やっぱりこの時間だったら空いてたね。」
「ああ、良かったな。」
1階にも空いてる席はあったけど、2階も見てみたくて選んだ席。
外はもう暗くなり始めてるから、室内の照明が引き立って。
キャンプに来てるみたいな雰囲気にワクワクしながら、ワッフルサンドのセットに手をつける。
「ヒロ、それおいしい?」
「ん、美味いよ。」
ヒロが頼んだのは、チキンにメープルソースを付けて食べるサンド。
お肉に甘いソースって、あんまり味の想像ができなくて。
俺はこういうメニューには挑戦しないタイプだけど、ヒロが美味しいっていうなら安心だなって思って一口もらう。
「あ、ほんとだ。おいしい。」
サクサクのワッフルに挟まれたフライドチキンにメープルソースの甘さがすごく合ってて。
おいしーって、思わず笑顔になってしまう。
「ゆうのは?」
「これもおいしかったよ。」
俺が頼んだのは、一番無難な海老とアボカドのサンド。
味の想像なんてすぐできるだろうけど、ヒロにも食べてみてもらって。
おいしいねって、笑顔で言い合う。
飲み物は、あたたかいジンジャーレモネード。
ヒロと向き合って同じものを口にしてると幸せな気分がどんどん膨らんで。
このままずっとこうしていたいなぁって、ヒロのことをじっと見つめた。
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