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ゆっくりと朝食を食べたあとは、簡単に家のことを済ませて。
ヒロから出かけようって誘ってもらったから、支度をする。
「ねぇ……ヒロ、今日どこ行くの?」
マンションの廊下。
エレベーターを待ちながら隣にいるヒロにそう尋ねると、わざわざ少し屈んで顔を近づけられて。
「買い物。」
「買い物?」
「そう。ゆうの服、買ってあげようと思って。」
「……ありがと。」
ついこの間まで暑かったのに、いきなり寒くなってしまった今年。
衣替えをしたから着る服は充分あるんだけど。
なんとなく新しい冬服がほしいなって思ってたから、俺がそう感じてたのに気がづいてくれた事が嬉しくて。
ありがとうを言うと、嬉しさで上がってしまったらしい頬っぺたを撫でられる。
「買い物したら昼飯食って、ドライブしようか。」
「うん。いいね、それ。」
ヒロと街中で買い物をして、食事をして。
午後はドライブをする。
今日はすっきりとした秋晴れで。
こんな気持ちのいい天気の中でこれからヒロと過ごす一日の予定は、俺にとっては魅力的すぎて。
嬉しい気持ちを抑えきれなくて、繋いでいるヒロの手にぎゅっと抱きつく。
そんな会話をしていると俺達を迎えに上がって来たエレベーター。
ヒロに抱きついたまま、その箱に乗り込んだ。
「ヒロ、どう?」
「似合ってるよ。」
ヒロが車で連れてきてくれたのは、いろんなブランドのお店が入っているビル。
俺が雑誌でよく見てるブランドのお店で、ヒロに選んでもらった服を試着する。
「ほんとに?変じゃない?」
「本当だって。」
「じゃあ、これにしようかな……」
ヒロがこのお店に入って一番に選んでくれたのは、ざっくりとしたビックシルエットの白いニット。
今日俺が履いてきたスキニーのパンツともぴったりなそのニットは、サイズもちょうど良くて。
俺を見つめるヒロの視線が、このニットを気に入ってるっていっている事に安心して。
ヒロが好きだって思ってるものを身に纏って居たいから、これにしようって決める。
「っていうかさ、ゆう。」
「なぁに?」
「俺の顔より、鏡の中の自分見たら良いじゃん。」
そんな事を言ったヒロに肩を持たれて、体の向きを変えられて。
ヒロの方ばかり見ていて気がつかなかったけど、後ろに大きな姿見の鏡があったことに気が付く。
自分の服を買うために試着をしてるのに、ヒロの表情ばかり見てた自分。
それを指摘されたことが、なんだかすごく恥ずかしくて。
「……。」
「ほら。似合ってて、最高に可愛い。」
そんな恥ずかしがってる俺の後ろからそう言って、視線で自分の姿を見るように促すヒロ。
その視線に従って鏡の中を見ると、新しい服なのになんだかしっくりとセーターに納まってる自分が居て。
改めて、ヒロの選ぶものって自分にぴったりくるものばっかりだなって感心する。
「これ、好き。」
優しい風合いの手編み風のニット。
これから訪れる寒い季節にはちょうどいいなって、嬉しくなって。
これにするって言うと、にっこり笑ったヒロが良いよって応えてくれて。
他のも着てみてごらんって、俺が試着室に入っているあいだに選んだらしい洋服を差し出した。
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