アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
-
「眠いなら寝ていいよ、ゆう。」
おでかけから帰ってきて、すぐにセックスして。
それを終えた俺たちは、夕食も食べずにお風呂にも入らずに裸のままベッドの中で抱き合っていて。
心地のいい疲れについうとうとしてしまうと、腕枕をしてくれてるヒロがそんな事を言いながら髪に指を絡める。
「ううん……眠くない……」
本当は、眠くて眠くて今にも閉じてしまいそうな瞳。
だけど、この幸せな時間を少しでも長く味わって居たくて。
眠ってしまうのがもったいなくて、そんな返事をして眠気に抗う。
「そう?」
「うん……眠くないよ。」
「そっか。」
「……ヒロ」
「なに?」
「なにか話して……。」
寝ちゃダメって自分に言い聞かせて……それでも、眠りに落ちてしまいそうな意識。
そんな中で無意識に口から出たお願いに、ヒロが笑って。
「どんな話が聞きたい?」
子供に絵本を読むみたいに、優しくそう尋ねてくれる。
「俺の話……」
眠くて眠くて……、眠すぎて。
普段からあんまり賢くないけど、今の俺はすっごくバカになっちゃってるみたいで。
自分の心のままに、ヒロに甘えた言葉ばかりを口にする。
「ゆうの話が聞きたいんだ?」
「うん……」
「いいよ……。俺にとってゆうはね……」
俺のわがままに、ヒロは機嫌良さそうに笑ったまま応じてくれて。
どんなことを話してくれるのかなぁって期待しながら次の言葉を待つ。
「生まれた時から可愛くてしかたない、大切な子で。」
「ん……」
「俺のことを一生懸命慕ってくれるのが切なくて、愛しくて。」
そう言って、見つめられて。
「ゆうが居てくれるから、俺は毎日幸せだよ。」
これ以上ないくらい、嬉しい言葉ばかりをかけられて赤面してしまう。
「自分が話せって言った癖に照れるなよ。」
「だって……」
俺とヒロは、もうだいぶ長いこと一緒に居るから。
お話をしてって言って、こんな言葉が貰えるなんて思ってなくて。
でも、考えてみたらヒロはいつでも適当になんかせずに俺に向き合って来てくれたよなぁって思って。
好きな人にずっとずっとそうしてもらえるのって、自分はものすごく恵まれてるなって素直に感じる。
「眠気、覚めただろ?」
「うん……ご飯作ろうか?」
ヒロの言葉に照れてしまって、すっかり覚めてしまった眠気。
そうなると、俺はお腹空いてないけどヒロはお腹空いてるよねって、食事のことが気になってきて。
ヒロにそう尋ねると、少し考える顔をした後に首が横に振られて。
「それより」
「それより?」
「今日はこうしてたい気分。」
そう言って、ぎゅっと抱き寄せられる。
食事も摂らずに、お風呂にも入らずに、ベッドでただ抱き合って居たい。
「……俺も。」
ヒロの言葉にそう同意して。
その腕の中で、楽しかった誕生日の余韻に思い切り浸った。
<end>
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
22 / 66