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「ねー、ヒロも被ろうよ?」
「嫌だよ。」
お土産はまたあとで買うつもりだから、とりあえずパークの中で使うものだけの買い物を済ませて。
ネットで調べていた、ぬいぐるみと同じような素材でできてるもふもふの耳が付いたカチューシャを無事に手に入れられて安心したけど。
何度お願いしてもヒロはそのカチューシャを付けてくれなくて。
せっかくお揃いで被りたかったのにって、予定表の紙とヒロの顔を交互に見る。
「そんな顔しても被らないって、ゆう。」
「でも、みんな被ってるよ?」
周りを見渡すと、カップルの彼氏さんとか、子供連れで来てるヒロと同じ年くらいの男の人とかも被り物をしてて。
ここではこんなの被ってても大丈夫なんだよって、自分のお願いの正当性を訴える。
「それに、俺も被るし。」
「ゆうは似合うだろ?」
そう言いながら、買ったばっかりのカチューシャを俺に付けてくれるヒロ。
ダッフィーと同じ耳のついた頭で、それでもしつこくヒロも付けようよって誘ってるとじっと見つめ返されて。
その視線に、なあに?って見つめ返すと、ほっぺたに軽くキスをされる。
「なっ、なに?ヒロ……」
「想像以上に可愛くてびっくりした。」
可愛い、可愛い。
見上げるヒロの表情は、俺の姿にものすごく満足してるみたいで。
「これは持ってやるから。それでいいだろ?」
そう言って、さっきカチューシャと一緒に買った2匹のダッフィーのぬいぐるみを俺の顔に押し付ける。
「う……」
「ほら、ゆうもひとつ持って。」
「……うん。」
Sサイズだけど、生まれたての赤ちゃんに近いくらいの大きさのぬいぐるみ。
シーに来たら、絶対一番最初にぬいぐるみを2匹買って一緒にパークを回って。
帰ったら部屋に飾るんだって決めていて。
被り物はしてくれないけど、そのお願いは聞いてくれるらしいヒロとお揃いのダッフィーを繋ぐ手と逆側に抱っこする。
「まったく、ぬいぐるみ持って回りたいなんて。」
「……」
ぬいぐるみ、邪魔だったかな?
そう思いながら、呆れた顔のヒロを見上げて見つめてるとその顔が次第に緩んできて。
「可愛すぎるんだよ、ゆう。」
甘い声でそんな風に囁かれたから、恥ずかしくて。
……恥ずかしい、けど、嬉しくて。
嬉し過ぎて、次はね……って。
自分でもヒロに甘えた声を出してるって自覚しながら、行きたいアトラクションを伝えた。
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