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ショーが始まるまでの時間。
ヒロが用意してくれた部屋で二人きりで過ごす。
部屋の奥にはダブルベッド。
更にその奥にある広いバスルームにはガラス張りのシャワーブースと真っ白な浴槽。
洗面台にはミッキーが描かれたアメニティが置かれていて。
そんな物たちすべてにはしゃぐ俺をヒロが笑う。
「こんなに良い部屋、取るの大変だったよね?」
今日はクリスマス。
普段でも予約の難しいホテルだけど、こんな日に部屋を取るなんてどんなに大変だったんだろうって思って。
ソファに座ってるヒロの前に立ってそう尋ねる。
「ゆうはそんなこと考えなくていいんだよ。」
「……いいの?」
「いいよ。」
俺が喜ぶことは全部してあげるから黙って側に居なさいっていうようなヒロの態度。
それはまるで、今日パークの中で見てきたお話の中の王子様みたいで。
俺の幸せはヒロの手の中にあるんだっていうことを実感する。
「……ヒロ」
幸せな気持ちに満たされて、思わずそう名前を呟くと手を引き寄せられて。
ヒロの顔が間近に迫る。
キスされそう。
そう思って反射的に目を閉じると、目の前では笑い声が漏れて。
「……笑うなんてひどいよ」
閉じたばかりの目を開けると、本気で笑ってるヒロが居て。
すっかりその気になってしまっていた自分が恥ずかしくて、拗ねて見せる。
「ほんと、ゆうってさ……」
「……俺がなに?」
「小さい頃から変わらないよな。」
「なにそれ……」
「素直で、単純で。思い込みが激しくて、からかい甲斐があって。」
「……それって、けなしてる?」
頭の回転が遅い方だって言うのは自覚してるから、ヒロの言いたいことをすぐには理解できなくて。
俺の欠点を楽しげに言い重ねるヒロに抗議すると、そんな訳ないだろって唇を指でなぞられる。
「子供のころから変わらない、そんなゆうが可愛すぎるって言ってるんだよ。」
笑ったまま、甘い声でそう言われてしまう。
「お、お茶……」
「ん?」
「ケーキ食べるよね?お、お茶淹れるね……」
ヒロがつくるそんな甘い雰囲気は、こんなムード満点の部屋の中で更に甘さを増して。
変な気分になっちゃいそうな自分を誤魔化すために、ヒロから離れる。
「ヒロ、コーヒーにする?日本茶もあるけど……。」
部屋にあったポットやコーヒーメーカー。
甘い空気をわざと明るくするために大きな声でした質問に、ヒロがまた笑って。
コーヒーお願いって頼まれたから、2人分のカップを用意してコーヒーメーカーをセットした。
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