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ベッドの中でヒロとゆっくり会話をして、ルームサービスで朝食を摂って。
今日もいい天気だから、カーテンを開けた部屋には燦々と陽の光が差し込んできて。
テラスからパークを見ながらお茶を飲むのも、すごく気持ちが良くて。
「忘れ物ないか?」
「うん、だいじょうぶ。」
結局、チェックアウトの12時ギリギリまで部屋で過ごす。
ディズニーに来て、部屋に昼までいるなんて。
ほんとだったら勿体ない過ごし方なんだろうなって思うけど。
でもよく考えたらパークにはまた来れるけど、こんなゴージャスな部屋になんて滅多に泊まれないだろうから、今回はこれでよかったんじゃないかなって思い直す。
着替えなんかの荷物と昨日買っておいたお土産は、ホテルから自宅へ送って。
リュックひとつっていう身軽な荷物になってホテルを出る。
「ヒロ……」
「ん?」
「あのね……」
「うん。」
「……ありがと」
自分の為に用意してもらった一夜の場所。
それはまるで夢みたいに素敵なものだったから、改めてありがとうを言うと、繋いでいる手がぐっと引き寄せられて。
ヒロの体に寄りかかるみたいにして歩いていた足を止めると、そのタイミングが分かっていたみたいにおでこへキスをされる。
「そ……、それ、なんのキス?」
「ほんと、ゆうは俺を喜ばせるのが上手いよなっていうキスだよ。」
キスの意味を尋ねた俺に、息がかかるほど間近に顔を寄せたヒロが応えた言葉。
その言葉は、全然理由になってないよって思うようなものだったけど。
見上げるヒロの顔が機嫌が良すぎる時の表情だったから、なんだか嬉しくなって。
ふたりで、意味もなく笑い合ってしまった。
ランドに入って、お腹が空いてるらしいヒロと一緒に買い食いをしながら向かったのはトムソーヤ島。
いかだに乗って、川を渡って。
「……。」
到着した島の入り口には、たる橋っていう、見るからに不安定な橋があるから思わず怯む。
「ゆう、おいで。」
「……う、うん。」
橋を前にして足の止まってる俺を面白がって、ヒロは一足先に橋を渡り始めてしまって。
ヒロに置いて行かれたくなくて、勇気を出してその後を追う。
「わ、わ……ぁっ!」
名前の通り、川に浮かんでる樽の上に渡してある橋。
それは想像していた100倍くらい不安定で。
両脇のロープを掴んで立ち止まる。
「大丈夫か?」
「……笑わないでよ。」
へっぴり腰で動けない俺を振り返ったヒロは笑ってて。
でも、おいでって手を伸ばしてくれたから、その手につかまって引っ張ってもらって。
普通の人よりも大分時間がかかったけど、なんとか橋を渡ることができた。
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