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苦労して渡った橋の先にあるキャッスルロック。
小さい子達がはしゃいでるその中をヒロに手を引かれながら探検して。
ドクロ岩の前を通って到着した砦にはお店があって。
その列に並んだヒロにくっ付いていると、俺に何も聞かずにミッキーの形をしたカステラケーキを2つも注文してしまう。
「ヒロ……俺、そんなに食べられないよ?」
お店の人からケーキと飲み物を受け取ったヒロ。
その手にあるケーキを見ながら、小声でそう訴える。
だって、今朝はボリュームのある朝食を食べたし、さっきまで買い食いしてたし。
ヒロはお昼もしっかり食べる人だから良いけど、俺は一人の時とか仕事の時はお昼ご飯ってそんなにたくさん食べないから、正直全然お腹は空いてない。
だから、いくら小さくてもまるまる一つのお菓子なんか食べられないよって。
「ゆうが要るだけ食べたら残りは貰ってやるから。」
「……それ、本気?」
俺が要る分なんて、一口くらいだからヒロは殆ど2つ食べることになっちゃうよって心配すると、大袈裟だなって笑われて。
「ほら、それ持って、こっち向いて。」
ベンチに座るとそう言われたから、ヒロから受け取ったミッキーのカステラを顔の横に持ってカメラの方を向く。
「ふ……可愛い。」
言われるままにカメラ目線でポーズをとった俺を笑ったヒロがシャッターを押して。
今撮ったばかりの写真をスマホの画面で確認する。
「……。」
ほんとにどうして、ヒロに言われたことをよく考えずにやっちゃうんだろう。
そういうのって子供みたいで、なんだか悔しい。
「ん?ゆう?」
「……ずるいよ。」
「んー?何が?」
何がって……それは、何でも言うこと聞くのが当たり前だって俺が思っちゃってること。
何でも言うこと聞きたくなっちゃうくらい、ヒロを好きなこと。
そう説明するのも何だか変な気がして、ミッキーのカステラを大きく一口頬張ると中にはキャラメルクリームが入っていて。
「甘い……」
想像以上に甘かったそれをなんとか飲み込んでヒロと視線を合わせると、また笑われて。
ほらって……ブラックコーヒーを差し出してくれたから、代わりにケーキをヒロの手に戻した。
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