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「...この姿で会いたくなかったなぁ。ひろちゃん。」
病室の真っ白なベットに寝そべりながら、木戸は俺に言った。
_____木戸が転校したと聞いた瞬間。俺は、他の人の目をはばからずに先生へと詰め寄った。
普段なら声を荒げない俺にクラスメイトは驚いた顔をしていたがそんなのは関係ない。
昼休み___放課後____数日間、時間があったら職員室に行って詰め寄った俺に先生はやっと教えてくれた。
木戸の居場所と、本当の理由...。それを聞いた俺は、すぐさま学校を飛び出し飛行機に乗り、今に至る______
「なんで...病気の事教えてくれなかったんだ。」
走って病室まで来た俺は、乱れた息を軽く整えながら木戸に言った。
木戸は転校なんかしてなかった。____県外の大きな病院に自分の病気を治すために行ったのだ。
さすがに先生は病名までは教えてくれなかったが、雰囲気でなんとなく危ない事は察せれた。
眉根を釣り上げて怒る俺に、木戸は困ったように笑う。
「皆には、弱い私を見せたくなかったの。手術ね...成功の確率すっごく低いんだよ。だからね、皆には元気に笑ってる幸せな私だけ記憶に残して欲しかったの。」
弱々しくそういう木戸に、俺は胸が痛んだ。
「死なねぇよ。...芽依は死なない。お前みたいなみんなの幸せを願ってるいい子を神様が見放すはずがない。」
確信なんてなかった。馬鹿らしいほど説得力がない言葉。自分でも呆れるほど自分勝手な言葉に、それでも木戸は、いつものように明るい笑顔を見せた。
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