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歌の7。亀と
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(どんくさい)亀と
いつもすました顔をして
やたら剛志みちょっかいを出す
しかし誰よりも剛志を愛している
だからこそあの男の非情な命令にも従っていた
「剛志と幸は飼育当番だから先に帰ろう」
「うん」
和臣と手を繋ぎ帰る
「今日はカレーだって」
「やった!おかわりしよ!」
「また食べ過ぎてお腹壊すなよ」
「大丈夫だよ!誠史は何杯…」
カレーの話をしていた和臣が急に黙り込む
「あ…」
村では見かけない男
誠史達に気付き
やってくる
「うわあー!可愛い!美少女だあ!」
和臣の写真を撮ろうとする男の前に立ちはだかる
「何?お兄ちゃん、写真もダメなの?まあ良いや。ここに鳥見幸一君て可愛い子が居るって聞いたんだけど知らない?」
ぞくっ
男の不気味な笑顔に
誠史は和臣の手を強く握り
逃げ出した
「何だよもう!」
「何?あのおっさん気持ち悪いよ!」
「幸を探してたよね。先生か大人の人…」
「呼んだか?」
「先生!」
丁度仕事帰りの鬼梨に出会う
「弟?妹?」
和臣に笑い掛けるも
和臣は誠史の後ろに隠れる
「人見知りがある?」
「はい。で弟じゃなくて…じゃなかった!先生!何か変な人が幸を探しているんです!」
「早いな…」
不審者の報告を受けた鬼梨の呟きに
「誠史、おじさんを呼びに行こう」
和臣が裾を引く
「あ、何処に行くんだ?不審者の居場所を教えてくれないか?」
和臣は鬼梨に背を向け
誠史の腕を引っ張っていった
「どうしたの?」
「あいつ悪い顔をしていた!」
「まさか!」
「お前ってバカだな」
「むっ!」
「どんくさいし」
「何だよ!」
悪口に思わず声を上げたが
和臣の真面目な表情に
押し黙る
「だから兄ちゃんも誠史が好きなんだろうね」
「?…あ、おじさん」
見知った男が駆け寄り
「お前達は大丈夫か?怪我はしてないか?」
心配そうに見つめる男に
「どうしたの?」
誠史は尋ねる
「幸一と剛志が不審者に襲われたんだ!」
「幸と剛志が?」
鳥川邸本家
「皆集まっています」
重蔵の妻に案内され
いつもの部屋に行くとクラスメイトが集まっていて
「幸の写真がネットで晒されたって」
「誰がそんなことしたんだ?」
皆が不安そうで
「幸、大丈夫?」
幸一は青ざめていて
「だい…じょぶ…」
俯き
元気もない
「幸」
剛志が手を握り
慰めるように寄り添う
「あいつ…嘘ついた…」
震えながら呟いていた
「何?」
「誠史、何か飲み物貰ってきてくれない?」
剛志がにこりと笑う
「う、うん」
背を向けた誠史に
「大丈夫。俺に任せろ」
剛志がそっとキスをした
「すみません。何か飲み物。幸に飲ませるの」
「ああ、せいちゃん。ホットミルクを作ったから持っていってくれる?」
妻がホットミルクを作っていて
「うん。後お菓子が欲しい」
「はいはい。ちょっと待っていてね」
お菓子も貰う
「ああ、誠史。皆は集まっているかい?」
重蔵が誠史の頭を撫でる
「あなた。犯人は?」
「ああ、捕まった。鬼島さんの所に入った強盗と同一の人物とも判明した」
「まあ…」
どきんっ
「誠史?それは持っていかなくて良いのかい?」
「あっ!」
「あらごめんなさい!夕食が近いからあまり食べ過ぎないように皆に言ってね!」
「ああ。今日はみったんの得意なチキンカレーか」
「和ちゃんが大好きなのよね」
「私も大好きだ。いつも食べ過ぎてしまう」
「まあ、和ちゃんみたいにお腹を壊しちゃダメよ」
人目もはばからずいちゃつく二人の隣
震える誠史
「誠史。重いのか?」
「宗兄」
宗巳が飲み物を持ち先に歩く
「あの!」
「お前は何も心配しなくて良い」
宗巳がいつものように優しい笑顔を見せる
「鬼島さんちは気の毒だったがもう犯人は捕まった」
「でも…」
「良い子にしていれば何も怖いことなんてない」
狸の面を着けた男が囁く
「悪い狸は始末するから」
言うことを聞かない悪い子はお仕置きだ
じゅううう
「ぎゃああああっ!」
嫌な音を立てくっつけられた面
「よくも神聖な村に許可もなく侵入したな狸め」
特殊な薬剤で付けられた面の隙間から血が滲む
「今回は生け贄が現れないかと思ったが…」
「井戸の主が欲しがったのだろう」
「ならば」
井戸の蓋を開け
男を投げ込む
がこんっ
がこんっ
「ぎゃあっ!…げぶっ!」
「ぎゃははははは!」
こつん
こつん
「主も喜んでいる」
微かな音を立てる井戸に宮司が満足げに笑う
「あんぶくたった…煮え立った…煮えたかどうだか食べてみよう」
耳に入るは鬼に魅いられたあの巫女の歌が聞こえる
「まだ足りない…」
もっと贄を寄越せ狸共
「鬼梨先生が捕まった?」
暫くして鬼梨が未成年への強姦で捕まったという報道が流れた
「誠史、あなたはあの男になにもされなかったの?正直に言って!」
知らせを受けた誠史の母親が血相を変えて誠史に詰め寄る
「母さん。誠史が答えにくいから」
父親が母親から引き離す
「幸一があの男に処女を奪われたんだ。重蔵さんはそれはそれは激怒してな」
「それなら大丈夫。先生は幸にしか興味無かったから」
「そうか」
安堵した父に
自分の無事を喜んだのか
自分がまだ処女であることに安心したのか
「父さんは僕の事を考えたの?」
「うん?それより剛志があの男を捕まえたそうだ」
「剛志が?」
「剛志!」
「ああっ!ん」
ぱちゅん
ぱちゅん
「はあっ!」
「幸」
3人の秘密基地である村外れの廃墟に行くと
幸一と剛志が抱き合い
剛志のアヌスには幸一のペニスが刺さっており
「こんなところで…汚いよ?」
「それかよ!」
「それより二人とも大丈夫なの?幸一は…その…」
「重蔵さんにも言って父さんも謝罪した。重蔵さんは俺の事は許してくれた」
事も無げに言い放ち
「あっ!ああっ!」
剛志の中に射精した
「お前もやる?」
萎えたペニスを抜き
誠史に見せつける
「こんな汚い所じゃやだ」
「我が儘だなー」
「それより幸一から電話はあった?」
「ない」
「父さんが幸一は大丈夫かな?って心配してた。幸一も先生に呼ばれていたらしいから」
「誠史!あいつは先生なんかじゃない!」
「幸一には俺も電話してみる。それとわかってるだろうけど知らない大人に話しかけられても何も話すなよ!」
「うん!」
「お前どんくさいから幸一より心配なんだよ」
「大丈夫だよ!」
誠史は約束を守った
だが
「誠史。お前はまだ処女だったんだな」
見知った大人には油断した
続く
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