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「なーんか今日のセックスつまんなかったね」
俺が上の空だったことに気付いてか、散々喘いでいたくせに、蒼羽さんはくすっと笑いながら挑発的に俺を見上げる。
「傷のある体ってあんま、そそられないんですよ」
手首にある掴まれたような痣を指摘すると、蒼羽さんはそんなに気にならないでしょと、どうでも良さそうに言う。
タトゥーが入ってるから気にならないと言ってるのか、これくらいの痣という意味で言ってるのか。
「厄介なのに捕まるなんて、あんたらしくもない。遊ぶ相手は選んでるんじゃなんです?」
「あはは。そーゆー発言マジうざいから」
JKか。
俺より年上のくせに。
俺もいい加減、心配しても報われないことには慣れたけど、だからってやめることもできない。
「相手は蒼羽さんの家とか職場とか知ってるんですか?」
それでもしつこく質問すると、蒼羽さんも誤魔化す方がめんどくさくなるのか、どうでも良さそうに答えてくれる。
「家は知られたかもねー。職場はバレてない」
やっぱりストーカーになってるらしい。
タバコに火をつけ、どうしようか少し考える。
いつもの蒼羽さんなら、たまに当たるめんどくさい奴はとことん放置して相手が飽きるまで待つらしいけど、何かあってからじゃ遅いと思うし。
「だから、セフレは俺だけにしたらいいのに」
溢れたため息に、蒼羽さんはやだよーと軽く笑う。
「たしかに、草薙は断然上手だし、あそこも大きくて好きだけどねぇ。たとえば、ピザが一番好きでも、毎日は飽きるでしょ?」
…………天使のような笑顔で酷いことを言う。
この人は、血統書付きのクズだ。
「とにかく、俺は傷の付いた体は萎えるんで、早めに問題解決して欲しいですね。今日のセックスがつまんなかったのは、お互い様」
「気持良さそうに腰振ってたくせにー」
………お前もな。
ただ、自分でも不思議なことに、この人に執着はすれど、友人達のように束縛しようとは思わない。
自由でいてこそ、この人は美しいと思う。
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