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死んでしまうなら今日だと思った、もうずっと誰に誰に期待もされぬまま――
今、家で遺書を綴っている。
大げさ、そんな勇気ないくせに、気の迷い…
いろいろ、思われてる。
でも、本気だ。
家にも、学校にも居場所がない。
中学生の自分には、もうなにもできなかった。
《俺に関わった、すべての人間へ》
書き出し、変かな…。まいっか。ペンをはしらせる。
《もう家も学校もいやです。みんな、いなくなってほしい。
でもそれは、不可能だから、死なせて》
そこまで書いて、続きを考える。
いままで、彼らにされた行為を全部書こうか。
一人ひとりの名前を書こうか。
自分のなかの破壊させられた精神を書こうか。
ペンを置いた。
なんだか、とっても虚しかった。
他人の行為によって、ここまで悩む自分がひどく悲しい。
名前と一文だけ書いて、手紙を持って、家を出た。
何も、言われなかった。
もう、夜の八時を過ぎていた。
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