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食べ始めたら、早かった。
何せ、まだ中学生なんだし。
「ご馳走様でした...」
肉まんをものの三分ほどで平らげ、ココアを頂く。
甘い。
とても、美味しかった。久しぶりにひとと食べたからだろうか。
「財布...は、だい、しょぶ?」
男が、また心配そうに訊いてきた。
そうだった、嘘ついたんだ...。
こんなに優しい人なのに。
温かかった気持ちが、急激に、冷めていく。
ああ、なんでこんな優しい人に嘘をついてしまったんだろう。
知らない子供に寒いからと、コンビニで食べ物を買ってきてくれる。
一緒に探し物の心配をしてくれる。
心底、自分が死ねばいいという気持ちが再び起き上がってきた。
「...だい、じょぶ?」
また、心配してくれる...。
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