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:by有真
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朔夜の家から出たといっても本当に行く宛など無いし、行きたいところもない。
どうしよっか、って考えたくもなかった。
もう、めんどくさかった。
だって…自分の居場所がわからないから。
いや、ちょっと違う。わからないんじゃなくて、無いんだ。
嗚咽が、喉を通り抜ける。
「ふっ…んん、、うっ…」
考えたくもないのに、これからの自分がどれだけ無力なのか、と思い出してしまう。
中学生。本来ならば、義務として保護者が学校に通わせなければならない。
しかし、たまに例外な子供がいる。
それは有真のような、保護者に見捨てられている子供が多いのだろう。
しかし、有真が今泣いているのは親に見限られたからではない。
自分が独りで生きていくことなど出来ないからだ。
朔夜──彼の家から出てきてしまったけど、彼は今までの有真の人生では有り得ない存在だった。
...だから、彼だけにはみじめな自分を見られたくなかったのかもしれない。
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