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「んんっ…んっ…」
烏丸孝一を奥まで咥え込んだ秘孔からは血が溢れ出していた。
痛みで涙があふれ、魚のようにパクパクと開けられた口の端からは服の切れ端で吸いきれなくなった唾液が伝う。
掌を串刺しにされた痛みと、秘孔から全身に走る激痛とで意識を手放しそうになるのを、奥を突かれる事でとどめられる。
いっそ、意識を手放してしまった方が楽だ。
ー最悪だ…
「兄貴!!こいつ持って帰りましょうよ。飽きたら返せばいいし。」
舎弟の一人の言葉に烏丸孝一は律動を止めて少し考えるように、ぐちゃぐちゃの九十九昴を見下ろした。
「そうだな…今夜は宴会だ。舎弟どもを集めて乱交と行こう…かっ…!!」
不気味に笑った烏丸孝一の顔が恐怖で青ざめた。舎弟達は、自分たちの兄貴の視線の先に目を向けて一気に凍りついた。
烏丸孝一達を恐怖のどん底へと突き落とした人物は、BAR『SUBARU』のマスター、藤城悠だった。
「烏丸…孝一…」
その表情は路地裏の薄暗さの元では見ることは叶わないが、纏っている空気は人を平気で殺せるものであった。
「昴から、離れろ…」
地に響くような唸るような声でそう発した瞬間、藤城悠は地を蹴った。
その動きはまるで現実味の無いもので、烏丸孝一は彼が目の前に来たというその事自体を把握する前に蹴り飛ばされた。
舎弟達も気付いた時には、既に回避不可能な距離に彼の姿を捉え、ただ悲鳴をあげることさえ許されなかった。
彼等が気を失うまで蹴り続けた藤城悠は、九十九昴の声で我に返った。
「…っ…んぅっ…」
九十九昴の周りは血に汚れていた。焦点の会わない目で必死に藤城悠の姿を捉えようとする姿は、あまりにも悲痛だった。
「昴!!」
藤城悠が駆け寄る。身に纏うのは切り裂かれた衣服のみ。口にあてがわれた布をとってやると大きく口を開けて必死に酸素を求めた。
「はっ、はぁっ…っ…はぁっ…うぅぁっ…」
自分の着ていたコートで九十九昴を包み込み抱き寄せる。九十九昴の体は小刻みに震えていたが、だんだんと治まり力を失った。
その体のあまりの細さに、藤城悠は奥歯を噛み締めた。
有村春一に連絡を入れ、車を回してもらった。先に藤堂雪が現れ、何度も何度も九十九昴に謝った。
泣き崩れた藤堂雪を取り敢えず一緒に車に乗せ、兵藤晃に医者を頼むついでに一緒に連れて帰ってもらうことになった。
「こんな時間にすみません、早乙女さん。
兵藤も…悪いな…。」
早乙女喜一 -サオトメ キイチ-
兵藤組の島で闇医者をしている。
昔は腕のいい医者だったとか。
「別にいいさ、俺はな…。それよりお前の方は大丈夫なのかよ。酷い顔色だぜ。」
目の前には早乙女によって治療を施されている九十九昴が青白い顔で横たわっている。
烏丸孝一達は、兵藤の部下が何処かへ連れて行ってしまった。生きて帰って来られるかはわからない。
「終わったよ。」
早乙女喜一の言葉に一旦話を止めた。
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