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「紫桜さん近いです」
風呂上がりの良い香りに包まれた紫桜が、体を密着させてくる。
「仕方がないだろう、言葉で教えるより体に直接教えた方が早い」
「体に直接教えるだなんて、イヤラシイな〜」
上がった心拍数を悟られない様茶化してみても黙殺されるだけだった。
不意に体が温かくなる。
ぽかぽかしてきたというか血の巡りを感じるとでも言うのか、とにかく温かい。
「魔力の流れがわかるか?」
先ほど"血の巡り"だと思ったのが魔力の流れだったらしい。
わかる。と答えた俺に、紫桜は力を抜く様に促した。
「力は抜いたまま指先に集中してみろ。イメージするのは風。指先から、ゆっくり、風を解放させて…そうだ、あと少し。」
ふわり。と風が吹いた。
「おお〜」
思わず真の抜けた声がでるが、内心テンションは最高潮だった。
紫桜が体を離しベッドの上に座る。
紫桜が離れた後、少し不安定にはなったが、魔力の扱いを何となく感じることのできた俺は継続して風を起こしている。
「そのまま髪を乾かしてくれ」
手のひらに頭を近づけてくる様子はまるで動物が懐いてくるかの様で少し笑いそうになった。
このまま風を当てると体が冷えるかと思い、温かい風をイメージする。
「…2つの魔法を同時に使えるのか」
「ん?」
意味が理解できなくて聞き返すが、紫桜は目を瞑って返事をしてくれない。どうやら寝てしまった様だ。
「…寝床どうするかな」
座ったまま俺の腰元に頭を付けて眠る紫桜を見ながら1人考え込んだ。
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