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余りの冷たさに思わず何回か手を握ってしまう。
人並外れた美しさ…まさか本当に人では無かったりして…。
「おい、いつまで手を握ってるんだ。変態っぽいぞ」
今にも癇癪を起こしそうな様子の紫桜が五月蝿い。
でも確かに変態っぽかったので手を離す。
挨拶の時は立っていた雪だが、俺が手を離すと「失礼します」と言って椅子に座った。
机に杖が立て掛けてあるから、脚が悪いのかもしれない。
「全く、雪が綺麗だからってみっともなくデレデレするな。」
…紫桜のこれがやきもちなら可愛いんだけどな。
「やきもちか?」
「っ、そんなわけないだろ!」
「いてっ…このクソガキ…」
やはりそんな訳は無かったようで、背中にヒザ蹴りをくらった。
どうお仕置きしようかと握りこぶしを作った所で、小さな笑い声が聞こえた。
雪が笑ってる。
少し頬を赤らめて笑う雪。何だか見てはいけない様なものを見ている気分だ。
「ああ、失礼しました。仲がよろしいんですね。」
「よくない!」
「何処がデスカ」
「紫桜様が御心を開ける様なお相手にめぐり逢えた事、嬉しく思います」
本当に嬉しそうに微笑む雪の台詞に引っ掛かりを覚える。
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