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ガチャ。風呂から出てきてしまった。
響也がいることを忘れてずっと泣いていた。
こんな顔見せてられない。そう思って泣くことをやめたが目は腫れているし鼻声になってしまっていた。
「お風呂ありがとうね紅葉。さっぱりした!」
髪をタオルでわしゃわしゃしながら出てきた。綺麗に割れた腹筋が羨ましい。
「ならよかった。俺も風呂に入ってくるね!ゆっくりしてて!」
響也にそう伝えて風呂に向かった。
俺の顔を見て驚いた顔をしていたが、足早に風呂に向かったから響也は何も聞いてこなかった。
風呂から上がったらきっと心優しい響也はなんで泣いてたか聞いてくるんだろうなぁと思った。
風呂に浸かった。響也もこの風呂に浸かったのだと思うとなんだかニヤける。
「気持ち悪いな俺」
独り言を呟いた。
自分は前に進めてる。そう思っていたが進めてはいなかった。美希を思い出しただけで泣いてしまうんだ。
でも、響也のことは多分好きだ。この思いがもっと大きくなれば美希のことも多分忘れられるのだろう。
そう信じたい。
髪と体を洗って風呂から上がった。
リビングに入ると響也は髪を乾かし終わっていていつも以上に綺麗な髪の毛になっていた。
髪の毛をセットしていないからペタってしてたけど、猫毛なのかいつものパーマのような感じにはなっていた。
「ただいま」
「おかえり。さっき泣いてた?どうかした?」
予想通り響也は聞いてきた。
「いや、特になんでもないよ!気のせいじゃない?」
作り笑顔をして言ってみた。でも、そんな笑顔もすぐバレた。
「嘘だ。あんな腫れた目と鼻声どう考えても泣いてただろ。正直に言ってみて?心配だから」
響也にはお見通しだったみたい。まだ彼女のこと引きづってると思われたくはなかったけど話した。
話してるうちにまた涙が出てきた。
「もう、ほんとこんな自分嫌でさ忘れたいのに忘れられない。終わったことなのに忘れられない重い自分が本当に嫌なんだよ。どうすればいいかわからないよ」
泣きながら言ってしまった。響也も聞いててなんだか辛そうだった。
俺のせいで響也にまで苦しい気持ちにさせてしまった。
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