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「よ、よう、養子縁組・・・組みたいなって・・・。ごめん。気が早すぎるよね。忘れて」
恥ずかしい。養子縁組組むとかいくらか早すぎる。今日付き合ったばっかなのに。
でも、裏切らない証拠がどうしても欲しかった。もう、裏切られて辛い思いをするなんて嫌だ。
「ありがとう嬉しいよ。俺も同じ気持ちだよ」
綺麗な瞳が見えなくなる笑顔になった。その顔はまるでお日様のようで俺を暖かくしてくれた。
同じで気持ちでよかった。引かれなくてよかった。本当に嬉しい。
さらに優しく包み込まれて心の中が幸せでいっぱいになった。この温かな気持ちがなくなるのなんて嫌だ。俺を優しく包み込んでくれる響也がいなくなるなんてやだ。
響也、いなくならないで?俺を一人にしないで?置いていかないで?
「安心した。ずっと一緒にいられるっていう証拠がどうしても欲しかったの。もう、裏切られたくなんてない。だから、んっ・・・」
言いかけたのに口を塞がれた。
しばらくの間唇は重ねられたままだった。
「俺の前で元カノの話のして欲しくないなぁ?悲しくなっちゃうし嫉妬しちゃう。俺は裏切らないから大丈夫。幸せな思い出で辛い思い出なんて消してあげる。だから、安心して?」
「俺だって安心してるはずなの。でも、怖いの。響也は裏切らないってわかってるのに、信じてるはずなのに裏切られたらどうしようっていう不安が出てきちゃって。過去を思い出しちゃってダメなの」
ほんとに怖いんだ。裏切らないのもわかってるのに怖いんだよ。
心の深い傷なんてなかなか癒えない。
かさぶたになってもすぐに剥がれ落ちてしまう。
「わかった。思い出してもいいよ。でもね、俺、すっごく嫉妬するし辛くなるのも覚えておいてね?それを考慮した上で話してね」
辛そうな顔。元恋人の話なんてされたくないよね。でも、してしまう。そんな自分が嫌だ。
「ごめんね響也。辛くさせてごめんね。引きずっててごめんね。こんなに弱くてごめんね。泣き虫でごめんね」
泣いてしまった。響也を傷つけてしまう自分が嫌いだ。
幸せな時間を過ごしたいのに自分の被害妄想で響也を傷つけてしまっていて辛い。
「響也、ごめんね。ほんとこんなのでごめんね。捨てないで。捨てないで」
心の声が出てしまった。弱すぎるだろ自分。
「落ち着いて紅葉?泣かないの。どんな紅葉も大好きだし愛してるから捨てないよ?捨てるわけがないよ。そんな悲しい思い出が消えるくらい俺が楽しくて幸せな思い出あげる。だから、泣きやも?」
泣くのを頑張ってこらえた。一日に二回も泣くなんて女々しすぎる自分。こんな自分を受け入れてくれるなんて優しすぎるよ響也。
宥めるように背中をトントンとたたいてくれる手はとても暖かい。この暖かい人がいなくなりませんように。
そしてやっと落ち着いた。
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